サンティアゴ・デ・コンポステーラから電車で30〜40分、日帰りで行けるガリシア州第2の都市ア・コルーニャ(A Coruña)。ZARAの1号店が出た街であり、今もInditexの本社がある。世界遺産の灯台・磯崎新設計の博物館・元刑務所の城・人体をテーマにした水族館と、1日で消化するのが惜しいくらい層が厚い。

トラベルライター、WEBクリエイター。主にヨーロッパで海外ノマドしています。
自分の忘備録、旅のしおり感覚で綴ります。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ駅からから電車30〜40分。Renfe Cercaníasで移動する
切符はOmioやRenfe公式サイトで事前購入が確実。当日窓口でも買えるが、ガリシアの駅窓口に並ぶ時間は予測できない。改札がないので乗り越しの概念もほぼないが、車内検札はある。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの現在の駅舎は1943年4月に開業し、ガリシア地方の伝統的な「パソ(pazo)」風様式を取り入れたデザインが特徴の美しい駅舎だった。
しかし2025年6月25日、駅は「サンティアゴ・デ・コンポステーラ–ダニエル・カステラオ駅」という近代的な駅に生まれ変わり、写真のような趣は無くなってしまった。
出発前にサンティアゴ駅のカフェ。席に電源があるが、テーブルの清潔度は保証できない



電車に乗ってみた

駅舎と真逆の真新しい連絡通路。運航の表示はシンプルなので間違える事は無い。
切符は、世界各地の交通機関の予約ができる「Omio」のアプリで事前に購入済。

朝の9時なのに電車の本数は少なく、ホームにいる乗客も少ない。

スペインの国営鉄道renfeを利用。サンティアゴ・デ・コンポステーラ駅は、主にスペイン国鉄であるRenfeが運行している。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの古い駅舎。1873年に開業したガリシア地方で最初の鉄道駅。車窓から。
ア・コルーニャ駅着。改札はなく、構内にはなぜかメリーゴーランドがある
スペインの地方駅は改札レスが多く、乗車証明は車内検札で確認される。ア・コルーニャ駅のメリーゴーランドが何のために存在しているのかは、公式には説明されていない。

出発も到着も定刻通り。北斎風トートバッグを持っている方の後を付いていく。
ちなみに改札は無い。

ア・コルーニャ駅構内にはなぜかメリーゴーランドがある。
2000年前のローマ人が建てた灯台が、今でも普通に稼働している公園へ
公園の岬先端からは大西洋が180度見渡せ、天気が良ければポルトガル領ア・コルーニャ沖の灯台まで視野に入る。灯台の内部見学も可能(有料・事前予約推奨)で、198段の螺旋階段を登ると岬と市街地の両方を一望できる。無料エリアの公園だけでも十分に時間が潰れるが、灯台の内部は登る価値がある。
トーレ・デ・ヘルクレス(Torre de Hércules)は紀元1〜2世紀に建造されたローマ時代の灯台で、現在も実際に機能している。「世界最古の現役灯台」としてユネスコ世界遺産に登録されており、古代ローマ人がここを「フィニス・テッラエ(Finis Terrae/地の果て)」と呼んだのは誇張でも比喩でもなく、当時の地理認識としての事実。公園内には彫刻作品が点在しているが、自然の岩と作品の区別がつかないものもある。



この眺めに出会えただけで、ここに来るまでの道のりが報われた気がする。




日帰りじゃ全然物足りない。次は1週間くらい泊まり込んで、とことん満喫したい。




古代ローマ時代、この岬は既知の世界の最西端、つまり「地の果て」と考えられていた。

世界の終わりをコンセプトにした水族館で、蛸の解剖模型と20世紀初頭の潜水服に出会った
Aquarium Finisterrae(フィニステレ水族館)は「世界の終わりの水族館」という物騒なコンセプトを名乗っており、ガリシア沿岸の生態系を中心に展示している。子供向けの施設のはずが、大人向けとは言えないアートや蛸の解剖模型が普通に展示されている。入場料は大人約15ユーロ前後。











グッズショップには水族館と無関係の生き物もいて、タコ関連は充実、まな板まで売っている




磯崎新が設計した「人体をテーマにした博物館」で、類人猿の頭蓋骨とへそコーナーがある
Domus(ドムス)は1995年に開館した人体専門のインタラクティブ科学博物館で、設計は日本の建築家・磯崎新。建物のファサードは大西洋に向かって湾曲した大型の石板状デザインで、ア・コルーニャの海岸沿いにある。人体をテーマにした展示は子供向けが中心だが、類人猿の頭蓋骨比較やへそ専用コーナーなど、「わざわざ独立して作るには理由がいる」展示も散見される。





1589年のイギリス艦隊を追い返した女性の名前を冠した広場で、人力で回る乗り物が動いていた

マリア・ピタ(María Pita)は1589年にフランシス・ドレーク率いるイングランド艦隊がア・コルーニャを攻撃した際に市民を鼓舞して防衛に貢献したとされる実在の女性。広場はア・コルーニャの市庁舎前に広がる主要広場で、週末には露店が並ぶ。乗り物はモーターなし・人力駆動で、子供が乗るためだけに人間が回し続けるシステムになっている。
毎週末なのか、訪れた日が特別な日なのか分からないが、かなりにぎわっていた。





要塞→刑務所→博物館というキャリアを歩んだサン・アントン城。屋上のアジサイが防衛感を完全に消している
Castelo de Santo Antón(サン・アントン城)は16世紀に港湾防衛のために建てられ、後に政治犯を収容する刑務所として使われた歴史を持つ。1960年に市に譲渡されてからは考古学・歴史博物館として運用されている。要塞が博物館になる過程は欧州各地で見られるパターンだが、屋上にアジサイが植えられ港のマリーナを見下ろす現在の姿は、「要塞」としての記憶を徹底的に上書きしている。





マリア・ピタ広場の露店でボカディージョ。露店で食べることへの躊躇は、食べ始めると消える

マリア・ピタ広場の露店でバーベキューソースたっぷりのローストポークサンドイッチ(Bocadillo de carne asada/ボカディージョ・デ・カルネ・アサーダ)とコーラ。
まとめ
サンティアゴからの日帰りとして消化するには情報量が多い。トーレ・デ・ヘルクレス公園だけで半日使えるため、フィニステレ水族館とドムス(磯崎新設計)、マリア・ピタ広場、サン・アントン城を全て回ろうとすると足りなくなる可能性がある。優先順位をつけるなら「灯台公園→広場・城→博物館」の順が移動効率として妥当。詳細はその2へ。







































































































































































