サンティアゴ・デ・コンポステーラ6日目。
ピーター・アイゼンマン設計のシダーデ・ダ・クルトゥーラ・デ・ガリシア(Cidade da Cultura de Galicia)は、郊外の丘の上にある大規模な文化施設群。大聖堂の塔を現代的に解釈して建てられた2本の塔のうち、1本は「インターネットの塔」と呼ばれている。設計意図としての命名らしいが、脱力感は否めない。

トラベルライター、WEBクリエイター。主にヨーロッパで海外ノマドしています。
自分の忘備録、旅のしおり感覚で綴ります。
エスプレッソを注文したら生ハムとケーキがついてきたカフェ。サービス基準が不明

カフェでエスプレッソを注文したら、サービスで生ハムとケーキを付けてくれた。
ガリシアのバルでは注文額に関係なく食べ物を添えるtapa libreの習慣が残っている。生ハムを添える店はバル寄りの業態で、甘い菓子を添える店はカフェ寄り。同じエスプレッソ1杯でも添えるものの内容で、その店がどちらに軸足を置いているかが分かる。
1本は鐘の塔、もう1本はインターネットの塔。ガリシアの伝統と未来を表すらしい
文化複合施設シダーデ・ダ・クルトゥーラ・デ・ガリシア
ガリシア州の文化複合施設「シダーデ・ダ・クルトゥーラ・デ・ガリシア(Cidade da Cultura de Galicia)」は、「ガリシア文化の都市」という意味を持ち、ガリシア州の文化、芸術、歴史、そして未来を象徴する壮大なプロジェクト。
アメリカの著名な建築家ピーター・アイゼンマンが設計。
ガリシア州の地形、特にサンティアゴ・デ・コンポステーラ周辺の丘陵地帯をモチーフにした独特なデザインが特徴。建物はうねるような形状をしており、まるで大地から隆起したかのような有機的な曲線を描いている。

2011年に部分開業したCidade da Cultura de Galiciaは、1999年の着工から完成まで12年かかった大型公共事業。総工費は約400億円超とされ、ガリシア州の財政を大きく圧迫した経緯がある。現在も建設が続いている区画があり、当初計画の全面完成は未定。

ムセオ・セントロ・ガイアス(Museo Centro Gaiás): 企画展や常設展を開催する美術館。6棟で構成されるCidade da Cultura(ガリシア文化の都市)の核心施設。ピーター・アイゼンマンの設計コンセプトは「現代のモンサンクシェル(中世巡礼地の丘)」で、建物の曲線はサンティアゴ旧市街の街路網を抽象化したもの。現地の石材(花崗岩)を外装に多用している。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の塔を現代的に解釈してデザインされた。右側の塔は「鐘の塔」、左側の塔は「インターネットの塔」と呼ばれ、ガリシアの伝統と情報化社会の未来を結びつけるという施設のコンセプトを表現している。
本日の寄り道

サンティアゴ・デ・コンポステーラには足専門の医療施設・整骨院が集中しており、その数は人口比で全国平均の数倍に達するという調査がある。

巡礼者が石畳と坂で足を傷める症例が年間を通じて発生するため、フットケア専門クリニックの需要は安定している。

居酒屋の看板。スペインで「居酒屋」という業態は存在しないが、バル・タベルナ・チグレという類似業態がある。チグレ(Chigre)はアストゥリアス・ガリシア地方特有のシードル(manzana)専門のバーで、ガリシアでは地元産のアルバリーニョワインを中心とした小規模バルがこれに近い機能を果たす。

フリーダ・カーロ風イラストのレストランの看板。フリーダ・カーロはスペインでは「自分の苦しみを芸術に昇華した女性アーティスト」として広く認知されており、メキシコ人という側面よりも普遍的なアイコンとして機能している。スペイン語圏という共通性もあり、飲食店・雑貨店での使用頻度は他の欧州諸国より明らかに高い。

パズルのようなデザインの滑り台。スペインの公共遊具はEU加盟後に安全基準がEN 1176規格に統一されたが、それ以前に設置されたものはデザインの自由度が高く独特の造形が多い。この手の遊具は1980〜90年代に多く設置されたもので、現在は安全性審査で撤去される例が増えている。


adobe illustrator、デヴィッド・ボウイ、蛸、カート・コバーン…。スペインのグラフィティ・壁画文化では「自分が好きなものを並べる」スタイルが珍しくない。ここにAdobe Illustratorのロゴが混在しているのは、制作者がデザイン系の人物である可能性を示している。カート・コバーンとデヴィッド・ボウイを並べることへの論理的な一貫性は求めない方がいい。



どんな小道でもフォトジェニック。



救急車。中央の杖に蛇が巻き付いているシンボルは、ギリシャ神話の医術の神アスクレピオスの杖(アスクレピオスの杖)を表しており、医療と治療を象徴している。

スペインの有名なお菓子メーカーの配達用バン。スペインの菓子業界は国内メーカーのシェアが高く、Cuétara・Artiach・Gullónなどが大手。EU加盟後に外資系の参入が増えたが、「アルファヘ―」「ポルボロン」などの伝統菓子は今でも国内メーカーが強い。配達バンの塗装デザインが派手なのは目立つことが広告効果になるため。

盛り付け方に統一感が無いのが気になるジェラート。スペインのジェラート(helado)文化はイタリアほどの厳密さがなく、アイスクリームとジェラートの境界も曖昧。盛り付けの統一感は店によって全く異なるが、量の多さと種類の豊富さで補う傾向がある。





ガリシアは独自の言語(ガリシア語)と文化を持つ地域で、カタルーニャやバスクほどではないが分権・独立を求める政治的主張が一定数存在する。壁のグラフィティには「Galiza libre(自由なガリシア)」などの政治スローガンが混在することが多い。ヘタウマなのか意図的なのかを判断する基準は現時点で存在しない。突貫で書いたのか、意図的にヘタウマに書いたのか分からない政治的なメッセージを含むグラフィティ。
本日の買い物

スペインで最も甘くないヨーグルト『OIKOS NATURAL』と水8リットルを購入。スペインのスーパーで売られているヨーグルトの大半は甘味料・果実・シリアルが添加されたフレーバータイプで、プレーンの無糖ヨーグルトは少数派。OIKOS NATURALはGrupo Danoneのブランドで、ギリシャ式の高タンパク・低糖質タイプとして一部の健康志向層に需要がある。
アルデンテは存在しない。スペインのパスタ文化に戸惑った夜

パスタ&ピザのチェーン店でスパゲティボロネーゼ&ビール。

パスタがくっついて固まり、口にすると粉っぽさが残る初めての食感。イタリアに近いからパスタは美味しいだろうと期待していただけに、正直がっかり。どうやら、パスタを茹でる際にかき混ぜなかったよう。
調べてみると、イタリアとは異なるパスタの文化があることがわった。
スペインでは、パスタをアルデンテよりも柔らかく茹でるのが一般的だそう。これは、パスタにソースの味がしっかり染み込むことを好むため。特にスペインの伝統的なパスタ料理「フィデウア」は、パスタがソースを吸って柔らかくなることで、アルデンテとは違う独特の食感を生み出す。
フィデウアのように、ソースを染み込ませることを前提とした料理ならまだ分かる。だがチェーン店のスパゲティでこの食感に出会うのは、文化的驚きというよりも単純な失敗との区別がつきにくい。
オーナーからの伝言

滞在先に帰ると、洗面所にこんなメモが。
おそらく”こんな感じのバッグ知りませんか?”と書かれているのだろう。
スペインの賃貸物件やAirbnbでは管理人と入居者がWi-FiやLINE相当のアプリ(WhatsApp)でやりとりするのが標準だが、アナログなメモが突然現れることもある。メモがスペイン語のみで書かれている場合、翻訳アプリとの相性は概ね良好。手書きの崩し字は認識精度が落ちるため、丁寧に書いてもらうか写真で撮って翻訳するのが確実。





























