エステ市場(Mercado del Este)
エステ市場(Mercado del Este)は、市場といっても生鮮食品を買う場所ではなく、買い物や食事を楽しめる歴史的な市場。昔ながらの雰囲気を残したインテリアで、カンタブリア地方の地元料理であるピンチョスやチーズなどを味わうことができる。
サンタンデールの中心部、Paseo Pereda(ペレダ通り)やCentro Botín(ボティン美術センター)の近くにあり、観光の合間に立ち寄りやすい場所に位置している事もあり、施設内はいつも満員状態。
単なる市場としてだけでなく、多目的の商業・飲食・文化施設として運営されている。
1841年にスペインで初めて建てられた屋内市場で、1986年に 「Bien de Interés Cultural」(文化的利益財産)に指定され、歴史的・文化的に保護される建築物となる。


オープン直後は空いていたが、すぐにお客さんでいっぱいになる人気スポット。

大抵は超満員で、席が空くのを待っている人でごった返している。

料金が載っていないメニュー。コーヒーまで時価?


1つでけっこうお腹いっぱいになるボリュームのピンチョス。

サンタンデールにある歴史地区の商店を宣伝するキャンペーンポスター。

珍しい有料トイレの改札。

お土産用のウズラの煮込み、鶏肉料理、子羊の肩肉など。


サンタンデールにはアートに関連する施設や場所が多く、アートが盛んな街などで、市場内でもアートも販売されていた。

お土産ショップのショーウィンドウ。

スペイン北部のナバラ産の白アスパラガス(Espárragos Blancos de Navarra)と、リオハ地方(Rioja)の赤ワイン。

観光客向け施設なので、ピンチョスの価格ももちろん観光客価格。

カンタブリア州で造られる蒸留酒の一種「オルホ(Orujo)」とそのリキュール。
オルホは、ワインを造った後のブドウの搾りかす(オリ)を蒸留して作られるブランデーで、イタリアのグラッパに似ている。
「Sierra del Oso」(熊の山脈)というブランド名なのでマスコットキャラクターなのだろうか。

かつてはシロアリや湿気に悩まされていた施設を改築して現在の建物になったそう。改築しすぎて昔の面影はなくなってしまったようだ。



まだ午前中だったのでアルコール度数の低そうなサングリアをオーダー。

白身魚とトマト、オリーブがパンに乗ったピンチョスを食べてみた。一つからでも注文できる。
メキシコ市場(Mercado de Méjico)
生鮮食品を中心とした昔ながらの市場で、地元の人々の生活に密着した場所。
2027年前半に全面改装される予定なので、近代的な観光用市場に生まれ変わるのではないかと推測されている。


スペイン名物『鱈』の専門店。
冷蔵技術がなかった大航海時代(日本の戦国時代から安土桃山時代)、北欧やカナダから塩漬けにされたタラが輸入され、海から遠い内陸部でも貴重なタンパク源として重宝されていた。
カトリックの国であるスペインでは、四旬節(復活祭前の40日間)に肉食を控える習慣があり、この期間、タラは人々の食生活を支える中心的な存在だった。
塩漬けにされた干しタラ『バカラオ(Bacalao)』は家庭料理からレストランの高級料理まで幅広く使われている。調理する前に、たっぷりの水に長時間浸して塩抜きをする必要があり、スペインには「365のタラ料理がある」と言われるほど、多くのレシピが存在する。

スーパーでは鮭と白身の2種類くらいしか見かけないが、市場へ来ると様々な魚が販売されている。但し一匹そのままで売っているため購入は断念した。
現代美術館セントロ・ボティン(Centro Botín)
現代美術館、Centro Botín (セントロ・ボティン)は、芸術、文化、教育を融合させた複合施設。
スペインのボティン財団がサンタンデールの都市再生を目的として建設し、2017年6月に正式にオープン。
建築と周囲の景観が見事に調和している点が大きな特徴で、プリツカー賞を受賞したイタリアの建築家、レンゾ・ピアノによって設計されました。

サンタンデールの中心部にあるペレダ庭園に面し、ビスケー湾に突き出すような形で建てられている。2つの船体のようなブロックが海上に浮かんでいるような独特のデザインで、景観の一部として溶け込んでいる。建物は、光沢のある白いタイル(約27万枚)で覆われており、太陽光や海面の光を反射してキラキラと輝き、水面に映る姿も非常に美しい。

大福のようなベンチ。
ミュージアムショップ


海沿いの施設なので海関係のグッズが多い。

日本グッズが違和感を覚えるほど充実している。

こちらは北斎コーナー。葛飾北斎の作品は著作権フリー(パブリックドメイン)なのでいくらでも使用可能なデザイン。

招き猫もスペインで大人気だ。日本の伝統的な縁起物でありながら、幸運を呼ぶシンボル、そしてデザイン性の高いアート作品として多くの人々に受け入れられている。
展示エリア

主に、ボティン財団が長年にわたって収集してきた作品群を所蔵している。

収蔵作品の展示のほか、特定のテーマやアーティストに焦点を当てた企画展も定期的に開催している。

過去には、アメリカの彫刻家アレクサンダー・カルダーの作品を紹介した「Calder Stories」展や、日本のアーティスト島袋道浩の展覧会も開催された。
眺望


この建物の設計者であるレンゾ・ピアノは、美術館そのものを景色と一体化させることを意図した。
海に突き出た立地、ガラス張りのファサード、屋上テラスがある。
美しい建築と、自然の景観が一体となって生み出される眺望は、Centro Botínを訪れる大きな魅力の一つ。