スペイン北部のビルバオで毎年8月に開催されるセミナ・グランデ(Semana Grande)。バスク語ではアステナグシア(Aste Nagusia)と呼ばれ、この地方最大の祭典として知られている。9日間にわたって開催される本祭りは、1978年に初開催されて以来、北スペインで最も重要なイベントへと成長した。
100以上のライブミュージックコンサートを含む500以上の無料イベント開催され、市内に設置された8つのステージで無料コンサートなどが楽しめる。
伝統的なバスクの民族競技「エリキロラク」の実演、パレード、演劇、児童向けのワークショップなど、プログラムは極めて充実している。
またアレナル広場に「チョスナ」と呼ばれるテント式の祭事場を設営し、毎日のテーマに沿った郷土料理の調理コンテストも開催され、チピロネス(イカの墨煮)、トルティーリャ(ジャガイモのオムレツ)、マルミタコ(マグロ煮込み)など伝統的なバスク料理が次々と披露される。
セミナ・グランデは2009年にユネスコの無形文化遺産リストに登録された。この認定はバスク文化の重要性と継続的な価値が国際的に認められたことを意味する。祭りを通じて、伝統的な言語、音楽、食文化、民族競技といったバスク固有の文化遺産が次世代へと継承されていくのだ。
毎年8月中旬から下旬にかけて、世界中から数万人の参加者がビルバオへ集まる。この9日間、街全体が一つの巨大なパーティー会場と化し、訪れる者は否が応でも祭りの熱気に包み込まれることになる。

開催中のネルビオン・リバー沿いには、土産物屋やアクセサリーなどのショップが並ぶ。

2024年は開催9日間で、ビルバオ市には約1億ユーロ(約160億円)規模の経済効果がもたらされた。


調理行為を伴う食品販売が法律上できないため、どの店もほとんどがドリンクのみの提供。

お祭り期間中は、普段の店舗を休業またはスタッフに任せて、仮設ブース(カスエタ、txosna)を出すケースが多い。

サクラなのか自主的なのか分からないが、このブース前だけ踊っている人が多数いた。

子供向けのお店のようにみえるが、実際はお酒を提供している仮設バル。

この壁画には、アフリカ大陸の搾取と抵抗に対する強いメッセージが、バスク語とスペイン語を交えて描かれている。
バスク地方の祭りでは、このように祝祭と政治的メッセージが密接に結びついているのが大きな特徴。

バスク地方の特定の開発計画に対する抗議のメッセージが、コミカルで風刺的なタッチで描かれている。「ウルダイバイのグッゲンハイム計画を阻止せよ!」。

円卓を囲んで陽気に祝う人々が描かれており、バスクの独立や社会運動における闘いの後の勝利と共同体を象徴している。「そして、我々は勝ちに行くぞ!」。

「フェミニズムの炎を燃やせ(目覚めさせよ)!」



こう見えて治安は良い。2024年の開催では、前年に比べて約25%減少した。スリさえ気を付けておけば大丈夫。

仮設トイレには様々なポスターが張られ、トイレなのかわかりにくい。

ポスターの内容は「闘牛反対運動」「パレスチナ関連」「フェミニズムや社会運動」「性暴力反対」など。社会運動の発信源としても機能していることが読み取れる。

街中のあらゆる場所で無料イベントが行われている。

ストリートパフォーマーも。

ギガンテス・イ・カベズドス(Gigantes y Cabezudos)はスペイン各地の祭りで登場する伝統的な巨大な人形のパレード。
この伝統は15世紀にさかのぼり、読み書きができない民衆に聖書を教える手段としてカトリック教会が導入したのがはじまり。
元々は宗教的教育目的で創設されたが、現在ではその宗教的要素は背景に退き、伝統的な文化遺産や祭りの娯楽的要素としての役割が中心になっている。

人形は「Museo de Pasos」(パソスの博物館)に保管されており、毎年同じものが使用されている。

多くの人々が巻いている青いバンダナ(チーフ)は、「パウエロ (Pañuelo)」と呼ばれ、この祭りのシンボルの一つであり、参加していることを示すもの。


口から入ってお尻から出るタイプの子供向け遊具。


公式マスコットと「自由な国(バスク)万歳!」的なコピーのお祭り用看板。










