3日以上サンセバスチャンに滞在すると、ピンチョスとラ・コンチャ海岸だけでは時間が余る。そういう時のために、旧市街から少し離れた場所にある施設や自然スポットをまとめた。全部行く必要はないが、半日の使い方として機能するものを中心に選んだ。子供向けから本格アート施設まで、想定外にバリエーションがある。

トラベルライター、WEBクリエイター。主にヨーロッパで海外ノマドしています。
自分の忘備録、旅のしおり感覚で綴ります。
Contents
モンテ・ウルグル(Monte Urgull) 旧市街の背後で静かに戦争の記録を保管している丘
サンセバスチャン旧市街の背後にそびえる標高123メートルの丘で、街と海を見渡す絶景の地として知られている。20世紀には要塞が築かれ、以後ナポレオン戦争など数々の戦いの舞台となった。頂上には19世紀に建てられたムタ城が残り、かつての軍事拠点としての姿を今に伝えている。また、1950年にはキリスト像が設置され、街の象徴として市民に親しまれている。緑豊かな散策路が整備され、旧市街やラ・コンチャ湾を一望できることから、観光客や地元住民の憩いの場所となっている。歴史と自然が調和する丘として、サンセバスチャンの風景に欠かせない存在。

海沿いの散歩道。

眺めのいい場所に設置されたベンチ。

ラ・モタ城の城壁に設置された石造りの古いベンチ。

モンテ・ウルグルがかつて要塞として機能していた時代に使用されていた大砲。


非常に急な角度で斜めに伸びている地層の露頭(ろとう)。





サン・テルモ博物館 修道院をそのまま使っている博物館なので建物自体が展示物
サン・テルモ博物館は、16世紀に建てられたドミニコ会修道院を改装した施設。1932年に博物館として開館したが、2011年に大規模な改修が行われ、現代的な機能を備えた今の姿となった。
建物自体がルネサンス様式の傑作で、均衡のとれた回廊は当時の建築技術の高さを物語る。16世紀の修道院建築がそのまま残り、歴史的建造物として価値が高い。
館内には考古学、民族学、絵画など多様なコレクションがある。エル・グレコやルーベンスといった巨匠の作品から、バスクの伝統衣装や生活道具まで、地域の歴史と文化の変遷を包括的に学べる。
サンセバスチャンの旧市街、モンテ・ウルグルの山麓という立地も魅力的で、観光の中心地から徒歩でアクセスできる。


バスク地方の文化や歴史に関連するモチーフがデザインされたマグカップ。モノクロの写真がプリントされている、珍しいデザイン。

ルーツは東アジアにあるものの、日本から影響を受けた形で独自発展 したヨーロッパ扇子。




1950~60年代のスペインのマルティニ社(Martini)製のモペット。

1960年代から1970年代にかけてバスク語文化の復興と政治的な意識向上に貢献した歌手のジャケ写。

サンセバスチャン水族館 捕鯨とバイキングの話をしてくる水族館
1928年創業。もとは海洋研究施設で、魚より「バスク人の航海史」の展示の方が充実している部分がある。捕鯨の歴史を示す古い絵画、バイキングとの関係を示すコーナーが設置されており、実際にバイキングコーナーが一番混んでいたという目撃情報がある。タコやエビを水族館で見てからバルで食べるという流れは、多少ブラックだが実用的。









バスク地方の捕鯨の歴史を示すために展示されている古い絵。バスク人は古くから優秀な船乗りであり、大西洋での捕鯨で知られていた。

バイキングコーナーが一番人が多かった。かつてサンセバスチャンがバイキングの街だった説に皆関心があるのだろう。

ミノカサゴ(ライオンフィッシュ)。
モンテ・イゲルド遊園地 1912年開業のまま止まっているレトロ遊園地
1912年開業のまま外観がほとんど変わっていないモンテ・イゲルド (Monte Igeldo)遊園地。もともと上流階級の避暑地向けに作られたが、現在は入場料が安く家族連れ向けの施設として機能している。崖の縁を走るボートアトラクションがあり、「ジェットコースターより怖い」という評判がある。ケーブルカーで上がる手段もあり、展望台からのラ・コンチャ海岸の眺めが目的で来る人も多い。

モンテ・イゲルド展望台へはケーブルカーで行く事が出来る。1912年に開業した歴史あるケーブルカー。

運行間隔は 約15分毎、展望台まで約3分。

展望台から臨むラ・コンチャ海岸。

子供向けの施設はサンセバスチャンでは希少なので、家族連れで賑わっている。


奇妙(?)でレトロなキャラクターが多い。

展望台の淵にできた人口川を小さなボートで巡回するアトラクション。崖をそこそこのスピードで進行するのでジェットコースターよりも怖い。

Garbera郊外モール バスク地方では希少な大型モールで地元民に重宝されている
地元の人々にとって買い物と憩いの場を兼ねた巨大モール。郊外型モールが少ないバスク地方では珍しい存在で、街の暮らしにすっかり溶け込んでいる。







トイレのドアのピクトグラム。

ゴミ箱のピクトグラム。

障がい者専用トイレのピクトグラム。

スタバで休憩。クッキーは日本と同じ味。



帰りは道路沿いにある遊歩道を歩いて帰ってみた。

スペイン語表記は「Entrada al espacio natural(自然空間への入口)」。

昔の道路建設や舗装に使われていた、蒸気機関で動く重機が展示してあった。
チリダ・レク美術館 農家だった建物を彫刻家本人が美術館にした場所
郊外にあるチリダ・レク美術館は、スペインを代表する彫刻家エドゥアルド・チリダの作品を集めた屋外美術館。もとは十七世紀の農家であった建物と広大な庭園を改修し、1990年代にチリダ自身が構想した。2000年に開館し、彼の死後も家族と財団によって運営が続けられている。展示は鉄や石を素材にした大型彫刻が中心で、自然光や木々の影と共鳴するように配置されている点が特徴とされる。周囲の牧草地には代表作「時間の門」などが並び、訪問者は作品と風景の一体化を体感できる。

中心地からアクセスしやすい場所ではないため、タクシーで行く人が多い。

私はバスで最寄り駅まで行き、そこから15分ほど歩いた。


トンネルを抜けると美術館入り口がある。他に目立つ建物がないため、迷う事は無い。









エウレカ科学博物館 アインシュタインと写真が撮れる場所として認知されている
科学や技術を体験的に学べる施設で、市の教育的拠点の一つ。館内には物理、化学、生物などをテーマにした多数の展示があり、子どもから大人までが楽しめるインタラクティブな仕組みが導入されている。プラネタリウムでは最新の映像技術を用いた宇宙体験が可能で、学校の団体利用も多い。




屋外にはバスク地方の主要な建物のミニチュア群が。



アインシュタインと一緒に写真撮影が出来るベンチ。



様々なデザインのベンチに出会えたのが一番の収穫だった。
まとめ
旧市街だけで満足できる滞在なら問題ないが、2泊以上なら上記のいずれかを組み合わせると時間の使い方がよくなる。チリダ・レク美術館はアクセスがやや不便だが、それが理由で混んでいないという利点もある。モンテ・ウルグルは無料で、最も手軽に旧市街の外に出られる選択肢。


























