スペイン・バスク地方の端っこ、フランスまで川一本のオンダリビア(Hondarribia)。「美しい沿岸の街」という前評判を胸に乗り込んだところ、待ち受けていたのは容赦ない石畳と、ネット上で流通している写真とは似ても似つかない「有名広場」だった。それでも、ピンチョスだけはガチだった。

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バスク地方の国境の町オンダリビア(Hondarribia)は、フランス国境に近いスペインのバスク地方にある美しい沿岸の町。その最大の魅力は、「カスコ・ヒストリコ」と呼ばれる古い要塞化された地区。
旧市街には石畳と木組みの家々が並び、漁師町としての素朴な表情も残す。
19世紀には王族の避暑地としても愛され、ヨーロッパの上流階級が訪れた記録がある。また、地元の人々はフランスとの緊張の狭間で、交易や婚姻を通じて境界を越えた絆を育んだ。要塞の街でありながら、人の往来と文化の交差が歴史を彩ってきた土地である。
オンダリビアは、サンセバスチャンやビルバオと並び、バスク地方の海岸沿いで最も高級な町の一つとして挙げられている。不動産仲介業者の情報でも、特にその立地、眺望、需要の高さから、最も高級で人気の高いエリアとして紹介されている。
サンセバスチャンからやフランスとの国境にも近く、さらにオンダリビア空港(サンセバスチャン空港)があるため、利便性も高いことが富裕層にとって魅力的。
サンセバスチャン(Donostia-San Sebastian)からオンダリビア(Hondarribia)まで、バスで約51分
サンセバスチャン(Donostia-San Sebastián)からE21系統のバスに乗ると約51分でオンダリビアに着く。この道はカミーノ・デ・サンティアゴ北の道(Camino del Norte)でもあるので、同じバスにリュックを背負った巡礼者が混じっていることがある。バスに乗っているのに同乗の巡礼者に罪悪感を覚えるかどうかは人による。

サンセバスチャンからオンダリビアまでの道は「カミーノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴ巡礼路)北の道 / Camino del Norte」の一部であり、毎年多くの巡礼者やトレッカーがこの区間を歩いてる。



だまし絵が描かれたマンション。


サン・クリストバル広場 (San Kristobal Plaza) 付近にある噴水。



オンダリビア旧市街への主要な入口の一つであるサンタ・マリア門 (Santa María Atea / Puerta de Santa María)。

オンダリビア旧市街、石畳は観光客の足首に容赦しない
旧市街への入口はサンタ・マリア門(Santa María Atea)。くぐると100mほどの通りが続き、バスク地方特有の木組みの家が並ぶ。雰囲気はある。ただし石畳の凸凹具合は、歴史的保存という名目のもと現代の歩行者への配慮をかなり後回しにした仕上がり。スニーカーよりサポートのしっかりしたトレッキングシューズが正解。

サンタ・マリア門をくぐると、100メートルほどの可愛らしい通りに入る。





ものすごく歩きにくい石畳その1。
インスタで見た広場と、実際の広場は別物だった
石畳を乗り越えた先に出てくるオンダリビア旧市街で最も有名な広場は、ネット上で流通している写真のイメージとだいぶ違う。狭くて地味。一方、広場の片隅からはビダソア川(Río Bidasoa)越しにフランス側の景色を望むことができ、「あっちがフランスか」という感慨だけは得られる。期待値の調整を推奨する。

すぐにオンダリビアで最も有名な広場に出る。出回っている写真とかなり違い、狭くて地味な広場だ。

広場の片隅から海を臨む事が出来る。



ものすごく歩きにくい石畳その2。

ものすごく歩きにくい石畳その3。



ラウブル (Lauburu) と呼ばれる、バスク地方の伝統的なシンボルTシャツ。

ナプキンリングの右側は、どう見ても箸置き。



オンダリビア旧市街で見られる典型的な建築様式。
バスク地方きっての高級住宅地で、住む気もないのに不動産価格を調べた
オンダリビアはサンセバスチャン、ビルバオと並んでバスク海岸沿いで最も不動産価格が高いエリアのひとつ。空港(オンダリビア空港/San Sebastián Airport)が至近にあり、フランス国境も徒歩圏内という立地が富裕層に好まれる理由らしい。19世紀には王族の避暑地だった経緯もある。観光客がそれを知ったところで何も変わらないが、街の雰囲気に説明がつく。


正直、ここへ来た本当の目的はピンチョスだった
オンダリビアで唯一「来た価値があった」と断言できるのが、Bar Gran Sol Hondarribia(バル・グラン・ソル・オンダリビア)のピンチョス。数々の受賞歴があり、バスク地方のバル・ピンチョスとして水準が頭ひとつ抜けている。


石畳で消耗した体力と、期待を下回った広場への不満が、ここで全部リセットされた。







まとめ
オンダリビアは、「行かなくてよかった」とはならないが、「行けばわかる系の街」でもある。SNSの写真通りの絵葉書的感動を求めていくと肩透かしをくらう可能性が高い。一方で、バスク地方の歴史的な要塞建築、フランスとの国境という地政学的なロケーション、そして何より食のクオリティは本物。サンセバスチャン滞在中の半日コースとして組み込むのが現実的で、それ以上でも以下でもない。















