サン・セバスチャン（San Sebastián）はバスク自治州ギプスコア県の都市で、世界屈指の美食都市として知られます。街全体に歴史と伝統が息づき、ミシュラン星付きレストランや本場のピンチョスが楽しめるほか、ラ・コンチャビーチや中世の旧市街、国際映画祭など多彩な魅力にあふれています。温暖な海洋性気候で、春から秋にかけて観光ベストシーズンを迎え、家族連れやペット連れの旅行者にも適した滞在先です。
Contents
ヨーロッパ一の美しさ。優雅な半月型の湾岸
ラ・コンチャ海岸 (Playa de la Concha)
サンセバスチャンのシンボルであり、世界屈指の都市型ビーチです。白い砂浜とエメラルドグリーンの海、海岸沿いの美しい白い手すりが特徴で、散策やジョギング、海水浴を楽しむ人々で賑わいます。湾の先に浮かぶサンタ・クララ島と、両側から湾を挟むモンテ・イゲルド、モンテ・ウルグルの景観はまさに絵葉書のようです。優雅なリゾート気分を満喫できます。
美食文化の中心地。熱狂のピンチョス巡りの聖地
旧市街 (Parte Vieja)
迷路のように入り組んだ細い通りに、数えきれないほどのバルがひしめき合うエリアです。世界的に有名なシェフを輩出し、「美食の街」サンセバスチャンの活気の源となっています。ここでは、様々なピンチョス（バスク風タパス）をハシゴして味わうバル巡りが定番です。歴史的なサンタ・マリア・デル・コロ教会やコンスティトゥシオン広場などもあり、歴史とグルメが融合した場所です。
絶景を一望！レトロなケーブルカーで行く遊園地
モンテ・イゲルド (Monte Igeldo)
街の西端に位置し、コンチャ湾全体を最も美しく見下ろせる展望スポットです。山頂へは100年以上の歴史を持つ木製ケーブルカー（フニクラーレ）で登ります。山頂には小さな遊園地があり、どこか懐かしい雰囲気の中で景色を楽しめます。特に夕暮れ時は息をのむ美しさで、写真撮影に最適です。家族連れやカップルに人気のスポットです。
街の歴史を見守る要塞と、頂上の巨大なキリスト像
モンテ・ウルグル (Monte Urgull)
旧市街の東側に位置し、山頂には12世紀に遡る要塞跡「ラ・モタ城」や、街を見下ろす巨大なキリスト像が立っています。徒歩でしか登れないため、自然の中の散策を楽しみたい人におすすめです。歴史博物館や大砲が設置された城壁跡など、軍事都市として栄えたサンセバスチャンの歴史的な面影に触れることができます。頂上からの眺望も格別です。
波と風を「櫛でとかす」、自然と一体化したアート
ペイネ・デル・ビエント（風の櫛） (Peine del Viento)
彫刻家エドゥアルド・チリーダの代表作であり、オンダレタ海岸の西端、イゲルド山の麓の岩場に設置されています。三つの巨大な鋼鉄のオブジェが、打ち寄せる波や風と「対話」しているかのような哲学的なテーマを持つ現代アートです。波の勢いで岩の穴から海水や空気が噴き出す仕掛けもあり、自然の力と芸術の融合を体感できる迫力満点のスポットです。
街の新しいシンボル。荘厳なネオゴシックの大聖堂
サン・セバスティアン大聖堂/ブエン・パストール大聖堂 (Catedral del Buen Pastor)
新市街（セントロ）の中心にそびえ立つ、荘厳なネオゴシック様式の大聖堂です。19世紀後半に建設され、高さ75メートルを誇る尖塔は街のどこからでも見つけることができます。内部はステンドグラスが美しく、静謐な雰囲気に包まれています。街の発展期に建てられた建物ですが、その規模と美しさから街のシンボルの一つとなっています。
王室が愛した夏の離宮。海辺の優雅な庭園
ミラマール宮殿 (Palacio de Miramar)
19世紀末にスペイン王室の避暑地として建てられた宮殿で、ラ・コンチャ湾の絶好のロケーションにあります。英国風の庭園が美しく整備されており、市民や観光客の憩いの場となっています。庭園からはビーチやサンタ・クララ島を一望でき、ゆったりとした時間を過ごすことができます。宮殿内部は通常非公開ですが、庭園の散策は自由です。
バスク地方の歴史とアイデンティティを学ぶ
サン・テルモ博物館 (San Telmo Museoa)
旧市街に位置する、バスク地方の歴史、文化、芸術に特化した博物館です。16世紀の修道院を再利用した建物と、モダンな建築が融合したユニークな造りになっています。バスクの人々の生活や伝統、芸術に関する展示が充実しており、この地方のアイデンティティを深く理解するのに最適です。展示室の壁画やルネサンス様式の中庭も見どころです。
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