サンティアゴ・デ・コンポステーラ21、22日目。
ガリシア州は年間降水量が多く湿度が高いため、街の至る所に苔が生えている。建物の壁や石畳に広がる苔は、整備の結果ではなく単に湿気の産物なのだが、それが独特の景観を作り出している。今日はエスプレッソにチュロスとオムレツがおまけでついてきた。
街に苔が多い理由。ガリシアの多雨と石造建築の組み合わせが生む副産物
苔は成長が非常にゆっくりで、一度生え始めると何十年、何百年という長い年月をかけて広がっていく。そのため、岩や石灯籠、古木、そして建物などに苔が生しているのを見ると、その場所が長い時間を経てきたことを直感的に理解できる。
サンティアゴ・デ・コンポステーラがあるガリシア州は、大西洋沿岸の気候の影響で年間を通して降水量が多く、湿度が高いため、苔の生育に非常に適した環境。このため、街の至る所で苔を見かけることができる。
それぞれの苔が、建物の材質や日当たりの状況、湿り気など、特定の環境に合わせて独自の群落を形成し、サンティアゴ・デ・コンポステーラ独特の「侘び寂び」の風景を作り出していると言えるだろう。

ガリシアの石造建築に見られる緑・黒・黄緑の苔の多層群落は、生育環境の安定性を示している。同じ壁面に複数種の苔が共存している場合、数十年〜百年以上を経た安定した湿潤環境にある可能性が高い。苔類(蘚苔植物)は大気汚染に敏感なため、繁茂している場所は空気が相対的にきれいな証拠でもある。
本日のカフェ

エスプレッソとチュロスとオムレツ。チュロスとオムレツはおまけ。
ガリシアのバルでのtapa libre(無料つまみ)のオムレツはtortilla española(スペイン風オムレツ)のスライスが多い。ジャガイモと卵のオムレツはスペインでは国民食に近い位置づけで、バルで常備されているものを切り分けて出す形式が一般的。チュロスのおまけも含め、この店は太っ腹な部類。

それとブラウニー。

サンティアゴの旧市街のバル・カフェは建物自体が11〜18世紀の石造りのため、内装の自由度が限られている。天井・壁・床の石が露出したままの店が多く、これが結果的に「雰囲気がある」内装として観光客に好まれている。

カウンターに直に置かれる生ハムのかたまり。
本日の寄り道


バルの看板。サンティアゴ・デ・コンポステーラのバルは旧市街だけで200軒以上あるとされ、人口当たりのバル密度は全国平均を超える。巡礼者・観光客・学生(USCの学生)・地元市民の需要が重なるため、回転率が高く長期営業できる店が多い。

スペインの旧市街の石造建築のドアノッカーは、建物の時代やオーナーの趣味によってデザインが大きく異なる。ライオン・手・リング・幾何学模様など様式は多様で、旧市街を歩きながらドアノッカーを観察するだけでひとつの散歩コースが成立する。一部は100年以上使われているものもある。



石造りの公共水飲み場。公共水飲み場は巡礼者が自由に水分補給できるよう、水飲み場が数多く点在している。こちらは今も使われているかは不明。

カフェのベンチ。
本日の買い物

青唐辛子、イカ、豚肉。イカは日本より柔らかい。豚は薄切りで3ミリほどで皮付き。
スペインのイカ(Sepia officinalis/コウイカまたはLoligo vulgaris/ヤリイカ)は大西洋漁獲で、冷水域で育つため筋肉繊維が細かく柔らかい傾向がある。豚の薄切りに皮がついているのはスペインでは一般的で、皮の部分は揚げると「ちちかぶ」に近い食感になる。日本では皮なし薄切りが主流のため、この違いは慣れが必要。





























