アストゥリアス王国の発祥の地『オビエド』。世界遺産多数の豊かな伝統に彩られた魅力的な都市
オビエドは、スペイン北西部のアストゥリアス州に位置する歴史的な都市です。イスラム勢力に抵抗するキリスト教徒が築いたアストゥリアス王国の首都として栄え、レコンキスタ(国土回復運動)の発祥の地として知られています。その歴史的価値が評価され、街の多くの建造物がユネスコの世界遺産に登録されています。
- 気候:温暖な海洋性気候に属します。年間を通して比較的過ごしやすい気候ですが、夏は過ごしやすく、冬は比較的穏やかで、年間を通して降水量が多いのが特徴。
- 治安:スペインの他の大都市(マドリードやバルセロナなど)に比べて犯罪発生率が非常に低いです。重大な犯罪は稀で、安心して過ごせる街として評価されています。
オビエドの特徴
- スペイン北西部アストゥリアス州に位置する歴史的な都市
- 街の多くの建造物がユネスコの世界遺産に登録
- レコンキスタの発祥地
- 中世の街並みが残る歴史地区を中心に、多くの魅力的な観光スポットがある
- アストゥリアス地方の伝統的な食文化を堪能できる
- スペインの主要都市の中でも特に治安の良い都市として知られている
- 都市には100を超える屋外彫刻が点在
- 山と海に近く、涼しくリラックスできる気候

オビエドの歴史
オビエドの歴史は、スペインの歴史、特にレコンキスタ(国土回復運動)の起源と深く結びついています。8世紀初頭にイスラム勢力がイベリア半島をほぼ制圧する中、北部のアストゥリアス地方はキリスト教徒の抵抗拠点となりました。
761年、フエラ1世によって修道院が建てられたのがオビエドの街の始まりとされています。その後、810年にアルフォンソ2世がアストゥリアス王国の首都をオビエドに移し、街は大きく発展しました。この時代に建てられたプレ・ロマネスク様式の建造物群は、現在も残り、ユネスコ世界遺産に登録されています。オビエドはイスラムの支配を免れたため、西ゴート王国の文化が色濃く残り、独自の芸術様式を発展させました。
レコンキスタが進むにつれて王国の中心は南へ移り、914年には首都がレオンに遷都されましたが、オビエドは巡礼地として重要な役割を担い続けました。特に、聖ヤコブへの巡礼路「サンティアゴ・デ・コンポステーラの道」の起点の一つとして、多くの巡礼者が訪れました。
近現代では、1934年のアストゥリアス革命やスペイン内戦で大きな被害を受けましたが、戦後に再建され、アストゥリアス州の州都として経済や文化の中心地となっています。歴史的な街並みと、レコンキスタの発祥地としての誇りが、今も街の随所に息づいています。
オビエドの歴史上の主な出来事
- 8世紀初頭: イスラム勢力がイベリア半島を支配する中、オビエドはキリスト教徒が抵抗する拠点となりました。アストゥリアス王国が建国され、レコンキスタの始まりの地となりました。
- アストゥリアス王国の首都: アルフォンソ2世の時代に、オビエドはアストゥリアス王国の首都となり、多くの教会や修道院が建てられました。
- 世界遺産: 1985年に「オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群」として世界遺産に登録されました。1998年には、さらにいくつかの建造物が追加登録されています。

オビエドの名産品
- ファバダ・アストゥリアーナ: 白いんげん豆と豚肉の煮込み料理
- シードル(Sidra): リンゴ酒の一種で、アストゥリアス地方では伝統的な飲み物
- チーズ: 地元のチーズも豊富で、特にカブラレス・チーズは有名
オビエドの年中行事
3月
聖週間(Semana Santa): 3月または4月に行われる、キリストの受難と復活を祝う一連の宗教行事。
9月
聖マテオ祭り (Fiestas de San Mateo):オビエド最大の祭り
10月
アストゥリアス王女賞 (Premios Princesa de Asturias)
エル・デサルメ (El Desarme):ユニークな食のイベント

オビエドを訪れる際のアドバイス
- 現地の人々は、スペイン語の他にアストゥリアス語を話すこともありますが、観光地ではほとんどスペイン語でコミュニケーションが取れます。
- 主要な観光スポットは、旧市街に集中しています。徒歩で十分に回ることができるため、ゆっくりと散策を楽しむのがおすすめです。
- 春や秋も気候が良く、混雑も少ないため、ゆったりと観光したい方におすすめです。
オビエドをお得に観光する方法
- 多くの美術館や博物館は、特定の曜日や時間帯に無料で入場できます。
- オビエドには無料で楽しめるスポットがたくさんあります。
- 平日ランチは 10〜15€前後で前菜+メイン+デザート+飲み物込み。地元レストランの利用が最もコスパ良し。