ナルボンヌ(Narbonne/フランス)へ行ってみた

フランスのナルボンヌは、地中海に近いフランス南部のオキシタニー地域圏に位置する、歴史と美食が調和した魅力的な街。かつてローマ帝国の属州ガリア・ナルボネンシスの首都として繁栄した「ローマの娘」とも呼ばれるこの街には、当時の面影が今も色濃く残っている。

街の中心部を流れるロビーヌ運河は世界遺産に登録されており、人口は約59,000人、フランスの都市としては中規模。1990年代には4万人台だったが、近年は南フランスへの移住ブームもあり、少しずつ増加している。

Ville de Narbonne(ナルボンヌ市公式チャンネル)
主要な観光スポットをコンパクトにまとめた観光ガイド動画

バルセロナ発ナルボンヌへの最適ルートと移動のコツ

バルセロナ・サンツ駅からフランス国鉄(SNCF)やスペイン国鉄(Renfe)が運行する高速列車を利用するのが最も快適な方法。
バルセロナからナルボンヌまでは国境を越えますが、シェンゲン協定圏内のため、通常はパスポート検査はない。但し、駅窓口で切符を購入する際など、パスポートを提示しなければいけない事があるため、パスポートは持参することをお勧めする。

バルセロナ・サンツ駅

バルセロナ・サンツ駅からナルボンヌ(Narbonne)駅までの切符を購入する方法

スペインのバルセロナ・サンツ(Barcelona・Sants)駅からフランスのナルボンヌ(Narbonne)駅までの切符を購入する方法は、主に「オンラインでの事前予約」か「駅の窓口・券売機での当日購入」の2通り。
この区間はスペイン国鉄のRenfe(レンフェ)とフランス国鉄のSNCF(フランス国鉄)がそれぞれ高速列車を運行している。

バルセロナからフランスへ向かう高速列車は全席指定制で、特にハイシーズンや週末は満席になることがある。当日駅で購入するよりも、事前にオンラインで予約しておく方が料金も大幅に安くなる傾向にある。

オンラインで購入する

最も確実で安く購入できる方法。通常、乗車日の数ヶ月前から予約が可能。

Renfe公式サイト(スペイン国鉄)

スペイン側の運行会社で、AVE(高速鉄道)のチケットを直接購入できる。

Renfe公式サイト(スペイン国鉄)
SNCF Connect(フランス国鉄公式サイト)

フランス側の運行会社。TGV・InOui(イヌイ)の予約に適している。

SNCF Connect(フランス国鉄公式サイト)
Omio(オミオ)

日本語に対応している、複数の鉄道会社を比較して一括検索できる予約サイト。

Omio(オミオ)
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  車窓からピレネー山脈のふもとや地中海の景色を眺めながら移動できる。
車窓からピレネー山脈のふもとや地中海の景色を眺めながら移動できる。

ナルボンヌ駅から市街地へ

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne) ナルボンヌ駅
ナルボンヌ駅。駅舎は19世紀に建てられた趣のある建物で、南仏の明るい雰囲気を感じさせる。

駅構内にはL’Agora(ラ・アゴラ)というキオスク・売店があるが、品揃えは限られている。また駅前にもいくつか飲食店はあるが充実した食事を楽しみたい場合は、駅から少し歩いて市街地へ向かうのがおすすめ。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ル・ロフトという名のバー・レストラン
ル・ロフトという名のバー・レストラン。窓の上部にはレンガを交互に配した装飾が見られ、赤い手すりの小さなバルコニーがアクセントになっている。フランス北部アルザス地方のビールブランドであるフィッシャーの看板が掲げられている。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  バー兼ブラッスリー
バー兼ブラッスリー。歴史を感じさせる石造りの3階建てビルの1階部分に入居しており、上層階にはフランスらしいアイアンワークのバルコニーが備わっている。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  建物の角に設置された装飾性の高いバルコニーと出窓
建物の角に設置された装飾性の高いバルコニーと出窓。石材を彫り込んで作られた支持部分や、青いフレームのサンルームのような構造が特徴的で、19世紀末から20世紀初頭の建築様式。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  1907年にナルボンヌで起きたワイン醸造家反乱
1907年にナルボンヌで起きたワイン醸造家反乱は、大規模な暴動や市長の逮捕、軍の出動にまで発展した事件。その反乱の当時の様子を描いたプレートが街のあちこちに設置されている。単なる観光案内ではなく、地域のアイデンティティを象徴する重要な証跡である。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  パステルカラーのシャッターが特徴的な住宅兼店舗の建物
プラタナスの並木道に面して並ぶ、パステルカラーのシャッターが特徴的な住宅兼店舗の建物。

地元の生活が集まる大市場(グラン・マルシェ)

ナルボンヌの日曜日に開催される大市場(グラン・マルシェ)は、南フランスでも最大規模の市場の一つであり、出店数は通常300店舗から500店舗にものぼる。
この市場は、屋内市場である「レ・アール」の周辺から、ロビーヌ運河を挟んだ対岸のミラボー通りまで広範囲にわたってテントが並ぶため、その規模と賑わいは圧倒的。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  大市場(グラン・マルシェ)
衣類、靴、バッグ、家庭用品、布地、本など、食品以外のあらゆるものが並ぶ。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  大市場(グラン・マルシェ)
駅周辺は閑散としていたが、「レ・アール(屋内市場)」と、その周辺から運河を渡った対岸まで広がる「大市場(グラン・マルシェ)」には大勢が集まっている。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  大市場(グラン・マルシェ)
日本やスペインのフリマとはテイストが違い、南仏ならではのセンスが楽しめる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  大市場(グラン・マルシェ)
個性的なアイテムも充実している。こちらはフリーダ・カーロの顔が大胆にプリントされたワンピ。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne) 大市場(グラン・マルシェ)
フリーダ・カーロは人気のようで、様々なグッズが売られていた。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  大市場(グラン・マルシェ)
南仏っぽい洋服が圧倒的に多い品揃え。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  大市場(グラン・マルシェ)
料金は日本と同じくらいで、質は日本の方が良い。

屋内市場レ・アール(Les Halles de Narbonne Market)に集まる地元の食

約60以上の店が軒を連ね、新鮮な地中海の魚介類、ジビエ、地元のチーズ、ワイン、オリーブなどが所狭しと並んでいる。

「レ・アール(Les Halles de Narbonne Market)」は、1901年に完成した美しい建築様式を誇る屋内市場で、2022年にはフランスのテレビ番組で「フランスで最も美しい市場」に選ばれたこともある。
外観は、パリの古い中央市場(レ・アール)と同じ「バルタール様式」と呼ばれる、鉄とガラス、レンガを組み合わせた19世紀末の産業建築の粋を集めたデザイン。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  屋内市場レ・アール(Les Halles de Narbonne Market)
鉄骨造の美しい天井構造が非常に特徴的。中央に飾られている絵画は、地元の伝説的なラグビー選手であるジャン・ピエール・リヴをモチーフにしたものだと思われる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  屋内市場レ・アール(Les Halles de Narbonne Market)
唯一行列ができていたローストチキンのお店。イートインも可能なお店も充実している。

ナルボンヌを貫く歴史の動脈ロビーヌ運河

ナルボンヌにとってロビーヌ運河は、単なる水路ではなく、街の繁栄を支えてきた歴史的象徴であり、現在は生活と観光の中心となる「心臓部」のような存在。
この運河は17世紀後半にミディ運河と地中海を結ぶ連絡路として整備され、かつてのオード川の旧河道を利用して造られた。全長は約32kmに及び、1996年にはミディ運河の延長線上の資産としてユネスコ世界遺産に登録されている。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ロビーヌ運河

古代ローマ時代、ナルボンヌは地中海貿易の拠点であったが、堆積物によって港が閉塞し海から切り離された歴史を持つ。ロビーヌ運河の開通は、衰退しかけた街に再び水運による物流をもたらし、ワインの輸送拠点としての地位を回復させる役割を果たした。

現在の運河は物流の主役から観光と市民の憩いの場へと変貌を遂げている。街の中心部では商人橋と呼ばれる建物一体型の橋が運河を跨ぎ、独特の景観を形成している。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  運河沿いにある歴史的な建物を利用したスタバ
運河沿いにある歴史的な建物を利用したスタバ。かつてナルボンヌ観光案内所として使用されていた。

街の中心に残る未完のナルボンヌ大聖堂(Cathédrale Saint-Just et Saint-Pasteur)

ナルボンヌ大聖堂(サン・ジュスト・エ・サン・パストゥール大聖堂/Cathédrale Saint-Just et Saint-Pasteur)は、13世紀に着工されたゴシック様式の建築物。
当初はフランス北部で見られるような巨大な合唱席を持つ野心的な設計がなされていたが、都市の防衛壁との干渉や財政難、さらには14世紀に流行したペストの影響により、建設が途中で断念し、未完成のまま現在に至っている。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ大聖堂(Cathédrale Saint-Just et Saint-Pasteur)
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ大聖堂(Cathédrale Saint-Just et Saint-Pasteur)
大聖堂の回廊部分。美しいゴシック様式のアーチと、その隙間から見える中庭のバラ園が調和している。柱の上部には怪物などを象ったガルグイユが配置され、中世の石造建築の特徴をよく示している。

ナルボンヌ大司教宮殿(Palais-Musée des Archevêques, Palais Vieux)とナルボンヌの歴史的背景

大司教宮殿は、この街が歩んできた長い歴史を象徴する巨大な建築群として知られている。宮殿は大きく分けてパレ・ヴューと呼ばれる旧宮殿と、パレ・ヌフと呼ばれる新宮殿の2つの区域で構成されている。パレ・ヴューは12世紀から13世紀にかけて建設が始まり、当時はキリスト教の有力な指導者であった大司教の住居として使われていた。石造りの堅牢な外観は、当時の宗教的な権威だけでなく、防衛拠点としての役割も兼ね備えていた。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ大司教宮殿(Palais-Musée des Archevêques, Palais Vieux)

現在はパレ・ミュゼという名称の通り、内部の多くが美術館や考古学博物館として一般に公開されている。展示品には古代ローマ時代の壁画や中世の彫刻、さらには東洋の美術品まで含まれており、ナルボンヌが地中海貿易の重要拠点として栄えた証拠を間近に見ることができる。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ大司教宮殿(Palais-Musée des Archevêques, Palais Vieux)
大司教宮殿の「古い宮殿」と呼ばれる中庭の全景。広々とした石畳の空間に、現代彫刻がぽつんと置かれている。周囲を高い石壁に囲まれたこの場所は、かつての権力者の居住地としての威厳を今に伝えている。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ大司教宮殿(Palais-Musée des Archevêques, Palais Vieux)
大司教宮殿の中庭に展示された、ウー・スニというアーティストによる彫刻作品。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ大司教宮殿(Palais-Musée des Archevêques, Palais Vieux)
大司教宮殿の回廊部分から、ガラス越しに内部の古い階段を映した様子。宮殿内部は現在、美術館や市庁舎として利用されており、中世から続く建築美を間近で観察できる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ大司教宮殿(Palais-Musée des Archevêques, Palais Vieux)
ローマから贈られたカピトリーノの牝狼の複製像。ローマ建国神話に登場する双子の兄弟ロムルスとレムスが狼の乳を飲む姿を描いている。ナルボンヌがかつて南ガリアにおけるローマの主要な拠点であった歴史を記念して設置された。この象徴的な像は世界各地に存在するが、古代ローマ時代の都市基盤を持つ場所で見ることで、その歴史的背景をより深く理解できる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ大司教宮殿(Palais-Musée des Archevêques, Palais Vieux)
宮殿のすぐ外にある広場で、現代的な紫色の彫刻が設置されている。

ナルボンヌ市庁舎(メリー/Mairie de Narbonne)

ナルボンヌ市庁舎(Mairie・de・Narbonne)は、かつての大司教宮殿を利用した歴史的な建造物となっている。この建物は、中世の要塞としての特徴を残す複数の塔や、ゴシック様式の装飾が施された外壁によって構成されている。現在は行政の拠点として機能しているが、内部には美術館も併設されており、地域の歴史を伝える役割を担っている。

市庁舎広場

ナルボンヌ市庁舎の目の前に広がる市庁舎広場には、紀元前118年頃に建設されたヴィア・ドミティアというローマ街道の遺構が一部露出した状態で保存されている。古代の石畳を直接観察できる。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ市庁舎(メリー/Mairie de Narbonne)
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ市庁舎(メリー/Mairie de Narbonne)
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ市庁舎(メリー/Mairie de Narbonne)
広場周辺には19世紀の商業建築やカフェのテラスが並び、2000年以上前の古代遺産と現代の市民生活が物理的に隣接する空間となっている。

ローマ時代の穀物庫ロマン・グラナリー・ミュージアム(Roman Granary Museum)

ロマン・グラナリー・ミュージアムは、紀元前1世紀頃に建設された地下倉庫の遺構を展示する施設。かつてこの地はローマ帝国の属州ガリア・ナルボネンシスの首都として繁栄した。この博物館の最大の見どころは、地下に広がるホリウムと呼ばれる保存倉庫の跡。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ロマン・グラナリー・ミュージアム(Roman Granary Museum)
ローマ時代の貯蔵庫へと続く地下階段。厚い石壁に囲まれた狭く急な造りは、当時の建築技術と堅牢さを物語る。地上の喧騒から切り離されたこの空間は、食料や物資を最適な温度で保管するために設計された。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ロマン・グラナリー・ミュージアム(Roman Granary Museum)
地下に広がる連続した石造りのアーチ構造。ホレアムと呼ばれるこの地下貯蔵庫は、上部にある市場を支える土台としての役割も果たしていた。規則正しく並ぶ通路は、紀元前1世紀頃の高度な土木技術の証であり、保存状態の良さは世界的に見ても驚異的といえる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne) ロマン・グラナリー・ミュージアム(Roman Granary Museum)
地下遺構の内部に設置された当時の人々の暮らしを再現するパネル。発掘された石積みの壁や、集積された土器の破片とともに展示されている。このような大規模な古代ローマの地下回廊は、ヨーロッパでも限られた都市でしか見られず、当時の物流拠点としての重要性を裏付ける資料となっている。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ロマン・グラナリー・ミュージアム(Roman Granary Museum)
貯蔵庫内で発見された多数のアンフォラや土器の展示。ワインやオリーブオイル、穀物などを運搬するために使用されたこれらの容器は、当時の地中海貿易の活発さを示している。

地中海沿岸特有の街並み

ナルボンヌは古代ローマ時代からの歴史を持つが、現在の街並みは中世から19世紀頃の様式が中心となっている。地中海沿岸特有の石造りやレンガ造りの多層階集合住宅が多く、厚い壁や木製のシャッターが特徴。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  中世から近世にかけて建てられた庶民的な住居で、厚い石壁を共有して密集して建てられている
中世から近世にかけて建てられた庶民的な住居で、厚い石壁を共有して密集して建てられている。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  19世紀頃のネオクラシック様式の影響を受けた住宅で、左右対称の窓配置や窓枠の装飾に当時の意匠が見られる。
19世紀頃のネオクラシック様式の影響を受けた住宅で、左右対称の窓配置や窓枠の装飾に当時の意匠が見られる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  石造に漆喰を塗った18世紀頃の素朴な建築様式の集合住宅。
石造に漆喰を塗った18世紀頃の素朴な建築様式の集合住宅。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  運河沿いに並ぶ多層階の集合住宅で、19世紀から20世紀にかけて生活に合わせて改築が繰り返されている。
運河沿いに並ぶ多層階の集合住宅で、19世紀から20世紀にかけて生活に合わせて改築が繰り返されている。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  南フランス特有の平らなレンガを用いた建築物で、古代ローマの伝統を受け継いだ工法が見て取れる。
南フランス特有の平らなレンガを用いた建築物で、古代ローマの伝統を受け継いだ工法が見て取れる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  17世紀から18世紀頃の面影を残す広場に面した建物で、商業施設と住居が一体となった都市建築。
17世紀から18世紀頃の面影を残す広場に面した建物で、商業施設と住居が一体となった都市建築。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌを代表するショッピングストリートのドロワット通り。
ナルボンヌを代表するショッピングストリートのドロワット通り。かつてイタリアとスペインを結んでいた古代ローマの主要道路「ドミティア街道(Via Domitia)」のルートをそのまま引き継いでいる。ナルボンヌが「ナルボ・マルティウス」と呼ばれたローマ植民地時代から、この街の背骨のような役割を果たしてきた。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  フランスはカトリックの伝統が強く、日曜日は「安息日(主の日)」として仕事を休む&「週に1日の休息(原則として日曜日)」を義務付ける法律のため、日曜はドロワット通りの店は閉店している。
フランスはカトリックの伝統が強く、日曜日は「安息日(主の日)」として仕事を休む&「週に1日の休息(原則として日曜日)」を義務付ける法律のため、日曜はドロワット通りの店は閉店している。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)
郊外で見つけた寿司屋「Lady Sushi Narbonne」。「Lady Sushi」とは造語で、上品な寿司屋というブランドイメージから付けたもの。「Lady Sushi」チェーンはフランス国内で現在24店舗展開中。

街路に続くプラタナスと草花

メインストリートには圧迫感のあるプラタナスの木が続く。 19世紀のフランスでは、都市計画の一環としてプラタナスが好んで植えられた。南フランスの夏は日差しが非常に強く、歩道全体を覆うような涼しい木陰(グリーン・キャノピー)を作り出す。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  整然と並ぶ巨大なプラタナスの木々
整然と並ぶ巨大なプラタナスの木々は、石造りの建物が並ぶ街並みに威厳と美しさを与えている。

ナルボンヌは地中海性気候に属しており、乾燥や暑さに強い植物が街路樹や公園の植栽として選ばれている。これらの植物は景観を美しく保つだけでなく、維持管理のしやすさから都市緑化に活用されている。

特にQuartier Est(カルティエ・エスト / 東地区)は近代的な再開発が行われたエリアであり、景観設計の一環として地中海性の植物が計画的に配されている。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  キョウチクトウ
キョウチクトウ。乾燥や大気汚染に強く、フランスを含む地中海沿岸では非常に一般的な街路樹として知られている。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ネムノキ
ネムノキ。背後にはキョウチクトウも混じり、豊かな緑を構成している。ネムノキは日本でも自生しているため親しみ深いが、フランスでもその独特な樹形と花が好まれて庭園などに植えられる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  キョウチクトウ
キョウチクトウ。ピンク色と同様に街中でよく見られる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ロシアンセージ
ロシアンセージ。シルバーグレーの葉と涼しげな花色が特徴で、地中海風の庭園デザインに欠かせない。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ユーフォルビア
ユーフォルビアの一種が幾何学的な葉を放射状に広げている。乾燥に耐える多肉質の植物で、フランスの公共スペースの植栽によく組み込まれる。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  赤紫と白のキョウチクトウ
赤紫と白のキョウチクトウが街路を彩ている。複数の色が混ざり合うことで、単調になりがちな道路脇の景色に変化をもたらしている。南仏の強い日差しの中でも元気に育つ、この地域を代表する風景の一つと言える。

ナルボヴィア博物館(Narbo Via museum)はこちら →

ナルボンヌを後にして

南仏の田舎町を訪れたのは今回が初めてだった。
ゴシック建築や自己主張の強いスペインの建築にしばらく触れていたせいか、ナルボンヌの街並みは驚くほどシンプルに映った。
装飾は控えめだが、ローマ時代にまでさかのぼる長い歴史が随所に感じられ、街の印象を一言で表すなら「狭くて深い」という表現がしっくりくる。
なかでもナルボヴィア博物館(Narbo Via museum)は、展示物の内容だけでなく、その見せ方にも独自性があり、強く印象に残った。
街が最も活気づくのは日曜日に大市場(グラン・マルシェ)が開かれる時間帯だが、その一方でショッピングストリートは多くの店が休業し、全体としては静かな雰囲気になる。観光に適した曜日については、少し判断が難しいと感じた。

フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  ナルボンヌ駅のホーム
ナルボンヌ駅のホームの「非常に長いホーム」を効率的に使うための案内。左側のピクトグラムで、「カバンを持った人が歩いている姿」と「70m」という表示が組み合わされている。これは、あなたが今立っている場所から実際の列車の停車位置(または乗車口)まで、あと70メートルほど歩く必要があることを示している。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  欧州で盛んな「モーダルシフト(トラック輸送を鉄道に切り替えること)」を象徴するLORRY-RAIL(ロリー・レール)の貨車
欧州で盛んな「モーダルシフト(トラック輸送を鉄道に切り替えること)」を象徴するLORRY-RAIL(ロリー・レール)の貨車。手前に写っている赤茶色の低い車両は、トラックの「セミトレーラー(荷台部分)」をそのまま載せるための専用貨車。奥に見える「EVS」と書かれた白いタンク車などは、穀物や化学製品を運ぶためのホッパ車やタンク車。
フランス(France) ナルボンヌ(Narbonne)  日本の清潔な新幹線に慣れていると、汚いAVEに遭遇するたびに驚かされる
日本の清潔な新幹線に慣れていると、汚いAVEに遭遇するたびに驚かされる。ただ、野山を走行する以上、汚れるのは自然なことであり、むしろ常に美しさを保っている新幹線の方が特別なのではないかと、そんな考えも浮かんでくる。

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